10周年物語 あとがき


平成16年3月14日に、枚方仙亭にて白虎会10周年を行いました。130名の出席者の皆様には深く感謝致します。自分の席には志半ばでこの世を去った井上義則さんの写真とその前にビールを置き感慨深くなってしまいました。早かった10年間ではありましたが、本当に楽しかった10年間でした。その中で特筆すべきは強固な団体を作れたことが大きかったことも事実でした。これからの10年間は私の拳法人生の起承転結でいえば転換期であると思っています。20周年までに道場生100名と3エリアに道場を作り、有段者50名を目標にしていきたいと思っています。実際現在は2エリアに道場を開校していますが、もうひとエリアもだいたい目ぼしい場所が決まっていますので、益々の発展を考えていきたいと思います。又、次の二代目の会長を育成するのも私の仕事ではないかと思っていますので、アグレッシブな10年間にしていきたいと思います。

 この10年間で一番変わったことは、社会情勢ではないかと思っています。失業やリストラ、離婚問題や青少年の暴動や世界的なテロリズム。10年前には聞いたことのなかった言葉ばかりです。白虎会の道場生達も決して人ごとではないことが多くなっているのも事実です。現実的に言って現在の親が教育できていないということなんでしょうが、この問題も解決していかねばなりません。創部2年目早々に井上義則さんが他界しました。その時に、皆でお通夜に行くことになりました。通夜にかなりの時間遅刻してきた親御さんは自分の子供をパジャマで連れてくる始末でした。ご自身もパジャマで来られていましたが、開いた口が塞がらないということは、このことを言うんだなぁとあきれてしまったことを思い出しました。「先生私もお通夜に行きましょうか」と言われたときには本当に呆れてしまいました。団体戦の時などは深刻で、子供さんが補欠にでもなると、電話をしてきた親御さんがいましたが、同級生と友情関係が壊れたらどうするんや、子供が傷ついたらどうするんや、というような電話をいただいたこともありました。一番子供を傷つけているのが、親御さんだとは気づいていないのが残念でした。又、夜中に呼ばれて行くと、子供がぐれてしまい困っているという相談事でした。中学生の上級生から、15万円の恐喝を受けているという相談事でした。私は警察に行きなさいと指導したら、バイクを2度盗み、警察に保護された実績がその少年にあったらしいのです。しかし、実は盗難は4回したらしく、その事実を警察に垂れ込みされたくなければ15万円払えという内容だったのです。私は警察に行く事を進めましたが、警察に行くと子供が捕まるので、駄目の一点張りでした。最期には子供を助けるのが親の使命とまで言う始末でした。このように子供の為にと思っていることが、すべて子供を駄目にしているということを気付いていない親御さんが多かったのでした。当時20代の私にとっては、見聞を広めれたことは今現在も感謝しています。しかし、親が異常にうるさいところは、また何をさせても長続きしないのも事実でした。白虎会の青年部のメンバーで少年から続けている子供達とたまにこんな話しをします。子供達は自分で親を選択する権利はありません。君達みたいに自由に拳法をやらしてもらえて、健康に育ててもらえたことに感謝しなさいという話しをします。白虎会では一年の締めくくりの稽古の時に一年間で一番頑張った選手に贈り物を手渡すことがあります。これはこの10年間ずっと続けて来たことですが、有段者だけが投票できる権利があり、少年部と青年部の1名ずつが選ばれます。もらえる商品は、正月に必要な米、餅、みりん、醤油。うどんやそばといった子供達がよろこばないものが多いのですが、親御さんに感謝の気持ちとして受け取ってほしいので、そのような日用品にしているのです。お正月にそれを食べながら、今年も最高殊勲選手になれよと激励を送ってほしいと思っています。

その他に徹底したことがあります。合宿などに行くと、バスの点呼をとりますが、バスガイドさんにも頼んでお断りしています。必ずバスの前後でペアとなり皆が手をあげるのです。前から順番に手をあげていますので、点呼よりも早く出発できるのです。いなかったら全体責任、こうして一人もおいてけぼりもなくうまくいっています。また、インターではトイレ休憩以外は厳禁です。少年達はお金を持って来ない少年も多いので、飲み食いしたい者は全員分を買うならいいということにしました。そんな奇特な人はいないので、あっというまに出発できます。よく合宿中にバスの運転手からお褒めの言葉を頂きます。又、稽古のときに連絡の手紙をできるだけ渡さないようにしています。その理由は、子供達から自発的にコミニュケーションを取ってほしいということと、稽古終了後にご飯を食べながら拳法の話しをしてほしいという狙いがありました。しかし、最近の子供達は連絡する癖の悪さが際立っています。親御さんからもうちの子供はアホやから覚えられないという返事をいただきます。しかし、ほとんどの親御さんは家で話しをせんから連絡がつかないんだなぁと思います。先日東京ディズニィーランドの顧問だった堀貞一郎さんとご一緒させていただきました。ディズニィーランドでは、最初にお客様に向かって「いらっしゃいませ」という挨拶をするかどうかで、物議をかもしたらしいです。結局は「いらっしゃいませ」と挨拶をすると受けた側が返事を返せないので、ボツとなったらしいのです。そこで「おはようございます」「こんにちは」等の挨拶になり、今現在もそれをそのまま使っているのです。コミニュケーションとはワントゥワンですから、家庭での実践を身につけていただきたいと思っています。

 今後も日本拳法白虎会から立派な社会人を輩出していきたいと思います。白虎会の門下生は私が誇れる唯一のものです。こんなメンバーと10年間過ごせたことは、同年齢の友人、知人からもうらやましがられています。よく拳法会の皆さんから白虎会は何をするのか楽しみと言われます。今年の白虎会大会も10回目を迎えます。凄い企画を用意していますので、期待してください。私は、人はプレッシャーがないと向上しないと思っているので、ドンドンと人のしないことをしていきたいと思います。シナリオ通りすると余り学ぶことはありません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

 今回この企画をしていただいた水木智司君にはなつかしい思い出を掘り起こしてくれて感謝しています。その彼も8歳のときからの付き合いですが、もう30歳。月日が過ぎるのも早いですが、それを後悔していないのが、充実していた証だなぁとつくづく思いにふけています。また、次回は20周年物語でお会いしましょう。そん時は元気があるかどうか心配の今日この頃です。ありがとうございました。


連載第1回日本拳法と三人の軟弱後輩との出会い」


連載第2回「白虎会誕生と涙の別れ」

連載第3回「運命を変えた道場との決勝戦」

連載第4回「グァム遠征と一年越しの天道会との再戦」

連載第5回「奇跡が起こるか白虎会の執念」

連載第6回「激闘!28分の戦い」

連載第7回育ってきた若い力と寝不足レポート、そして境川親方の人情物語

連載第8回
「快進撃で優勝???」

最終回   白虎会大会ついに大台達成、ありがとう10周年